動脈と静脈のアンチエイジング

動脈と静脈のアンチエイジング

動脈の老化を防ぐ方法

心臓から送り出された血液を全身に運ぶ役割を果たす動脈の老化は、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と密接に関係しています。これらの生活習慣病を抱えていると、動脈硬化という形で動脈の老化が進んでいきます。動脈硬化が進行すると、動脈の血流が遮断されてしまい命を落とす危険性がある脳卒中や心筋梗塞といった重大な疾患につながる恐れもあるため、生活習慣病の予防をして動脈のアンチエイジングを図ることが大切です。
高血圧症を予防するためには、塩分摂取量を減らすことや適度な運動、ストレスをため込みすぎない、睡眠不足に注意する、禁煙するといった対策が必要です。また、糖尿病や脂質異常症を予防するには、食べ過ぎや運動不足に注意を払い、栄養バランスの良い食事を心がけることで、肥満にならないようにすることが重要となります。

静脈の老化を防ぐ方法

全身から心臓へ血液を戻す静脈には、血液の逆流を防ぐための弁が備わっているのですが、静脈の老化が進むと逆流防止弁が上手く機能しなくなります。すると、静脈内に血液が溜まってしまい、血管が伸びるとともに血管壁を構成する平滑筋が破壊されてしまうことで血管の拡張が進みます。
足の血管がボコボコとコブ状に膨らむ下肢静脈瘤は、静脈の老化によって引き起こされる代表的な疾患となりますが、静脈の老化を防ぐためには脱水状態を回避することが大切です。脱水状態になると血液がドロドロとなることで逆流防止弁に負荷がかかるため、十分な水分補給を心がけましょう。
また、血液がスムーズに心臓に戻っていくためには筋肉のポンプ力が必要となるため、適度な運動をする必要もあります。加えて、深呼吸も心臓への血流をスムーズにしてくれるため、日ごろから深呼吸することも大切です。さらに、長時間立ち続けたり座り続けたりする場合は、適度な着圧がある靴下やストッキングを利用するのも効果的です。